カメラは魔法の小箱です

「カメラは魔法の小箱です」中井精也(著)→

テレビ番組でもお馴染みの、鉄道写真家・中井精也さんの「カメラは魔法の小箱です」。

タイトルからして、中井さんらしいワクワク感を感じますね。

内容は、中井流撮影テクニックの紹介だけではありません。

今までの著書とはやや趣向が異なり、彼のプロとしての生い立ちや、プロを目指す人に向けてのメッセージなどもあり、読み物として十分に楽しめる一冊です。

本書は、中井さんの会社からの出版ということもあってか、彼の生き様や哲学が、写真論として縛りのない展開をしているのが大きな特徴です。


本書で紹介されている撮影テクニックに関しては、前著の「デジタル一眼レフカメラと写真の教科書」シリーズの復習といった感じです。

しかし、ところどころに新しく開発や改良されたメソッドも紹介されています。

残念なことに、前著のシリーズに比べて、作例写真やイラスト・図表などが少なく、紙面も小さいので、ガイドブックと言うより読み物として楽しめる仕様となっているようです。

あらかじめ重要と思われる箇所には、文章にイエローマーカーが印刷されているので、読みやすさを感じました。

仕様は、単行本サイズのソフトカバーで、256ページとなります。

そして、コンテンツは、以下のとおりです。

第1章 写真は伝えるためのもの

第2章 伝わる写真を撮るために

第3章 写真想像力

第4章 線路と写真が育ててくれた

第5章 テーマを持とう

第6章 写真のキャラクター

第7章 3つの武器

第8章 大切なのは光です

第9章 露出

第10章 構図はバランス

第11章 ピント

第12章 僕とカメラ、僕と機材

第13章 プロを目指すあなたへ

第1章から第3章までは、前著の「デジタル一眼レフカメラと写真の教科書」シリーズの復習で、主題や、撮り手の想いの伝え方や、写真想像力などについて書かれています。


第4章は、「鉄道写真家・中井精也のできるまで」の青春の想い出が綴られていて、非常に興味深く読めました。

特に「旅情」という目に見えない被写体をとるコツや、ゆる鉄誕生のストーリーなど、今まで知りたかった事も書かれています。


第5章は、数ページしかありませんが、撮影テーマや、自分の好きな被写体探しについて書かれています。


第6章は、写真だけでなく、撮り手のキャラクターについても解説されています。


第7章から第11章までは、また前著の「デジタル一眼レフカメラと写真の教科書」シリーズの復習といった感じですが、ところどころに新しい撮影メソッドが紹介されています。

なお、ここで述べられている「3つの武器」とは、「ホワイトバランス」「仕上がり設定」「大胆な露出補正」です。


第12章からは、テクニックの紹介ではなく読み物となります。

本章では、中井さんが質問に答える形で、機材について述べられています。

特に氏が理想と思うカメラについて書かれている部分もあり、今まで他の著作物では知ることのできなかった、中井さんの機材へのこだわりを知ることができます。


第13章は、中井さんからのプロを目指す人へのアドバイスです。

数ページしかありませんが、内容は濃いです。

特に「ライバルは自分であって、仕事が義務と思った瞬間に、好きな事を好きなまま続けられる人に負けてしまう」と述べられている部分に感銘を受けました。


以上の様に本書の特徴は、今まであまり語られることのなかった、中井精也さん御自身のストーリや写真論が読み物として楽しめることです。

特にファンの方は必読ですね。

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