978-4864010955

「最高のモノクロ写真の創り方」John Batdorff/ジョン・バットドーフ(著)・早川廣行(監修)→

本書は、タイトルどおり「モノクロ写真の表現手法」に特化した内容です。

しかし、銀塩フィルムに関しての情報は全く無く、全てデジタルモノクロでの解説となっています。

さらに、サブタイトルに「スナップ写真をアート作品に仕上げる」とありますが、撮影後の写真の後処理、つまりポストプロセスに特化した内容ではありません。

前半部分の約半分のボリュームは、機材の選択と使用方法から、構図や露出などの、撮影技術のセオリーが解説してあります。

そして、カラーを含めた一般的な撮影メソッドに加え、コントラストなどのモノクロ特有のセオリーも紹介されています。

そのため、モノクロ写真以前の撮影初心者の方でも、安心して読み進める事が出来ます。

そして、後半部分においては、ポストプロセスにあたる、画像編集やモノクロエフェクトやプリントなどの解説となります。


作者のJohn Batdorff(ジョン・バットドーフ)氏は、海外では、モノクロ写真の実力派フォトグラファーとして活躍中です。

「いつモノクロで撮るか」ではなく、「いつカラーで撮るか」の方が問題となる程、常日頃モノクロ写真のイメージを追い求めている方です。

さらに、本書の監修は、デジタルフォト解説の第一人者としておなじみの、フォトディレクターの早川廣行氏という、とても贅沢な一冊なのです。


仕様内容は以下のとおりです。

サイズは約20cmの正方形サイズ、207ページのオールカラーです。

全体モノクロ写真がメインなので、一見2色刷りかと思われがちですが、写真製版用ルーペで作例モノクロ写真をみると、ちゃんとCMYKの4色のインクで印刷されています。

第1章 機材とセッティング

第2章 構図と光

第3章 露出

第4章 画像編集

第5章 モノクロエフェクト

第6章 プリント、アップロード、そしてシェアする

第1章では、機材とその使用法の説明です。

カメラとレンズはもちろんのこと、カメラバッグとその中身や、画像編集ソフトやモニターキャリブレーションに至るまで網羅されています。


第2章では、モノクロ写真で特の重要な、光とコントラスト、さらに光と動きと構図などが解説されています。


第3章では、露出やフィルターワーク、風景写真、ポートレート写真、スタジオでのモノクロ撮影などが解説されています。


第4章からは、「ポストプロセス」つまり撮影後の後処理についての解説です。

この章では、Adobe Lightroomを使用してのワークフローと、RAW現像が解説されています。

RAW現像に他の現像ソフトを使用されている方には、あまり必要無い内容となります。

私も普段はDxO OpticsPro11でRAW現像しているので、とりあえず必要無い情報となりました。

しかし、将来的にはRAW現像というよりも、写真データ管理の面でLightroomは必須となるでしょう。


第5章では、SEP2(Silver Efex Pro2)を使用したモノクロエフェクトの解説です。

SEP(Silver Efex Pro)は、数年前に開発元のNik Softwareの元を離れ、GoogleにてGoogle Nik Collectionの一つとして販売・サポートされるようになりました。

しかし、事もあろうに天下のGoogle様は、Google Nik Collection全シリーズを現在完全無料で配布してくれています。

もちろんSEP2(Silver Efex Pro2)も、現在完全無料でGoogleから入手できます。

私もこのSEP2(Silver Efex Pro2)を使用する目的で、本書を購入しました。

Google様に感謝です!(笑)


第6章は、これまたAdobe Lightroomからのプリントや、額装やシェアなどについての解説です。


各章に2~3点の割合で、「写真を読み解く」というコーナーが設定されています。

そこには、見開き全面でJohn Batdorff(ジョン・バットドーフ)氏のモノクロ写真が大きく紹介されていています。

そして、その作品に対しての撮影データとキャプションと構成するポイント等が複数紹介されています。

写真も良い感じで、撮影時とポストプロセスの指針として、とても勉強になります。

さらに、各章の終わりには、学んだ事に対して「課題」が設定されています。

文体も非常に読み進めやすく、これから自分のデジカメでモノクロ作品に挑戦してみたい方は必読の一冊です。

デジタルモノクロに特化した参考書籍が少ない中、本書は幅広いコンテンツと価格も手頃で是非お勧めです。

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