楽しいみんなの写真-とにかく撮る、flickrで見る。ソーシャルメディア時代の写真の撮り方・楽しみ方

「楽しいみんなの写真-とにかく撮る、flickrで見る。ソーシャルメディア時代の写真の撮り方・楽しみ方」いしたにまさき(著)・大山顕(著)→

いきなりですが、皆さんは撮った写真は、どのような最終形態で鑑賞されますでしょうか?

この本の最大の特徴は、書籍タイトルにあるように「ソーシャルメディア時代の写真の撮り方・楽しみ方 」について書かれています。

つまり撮った写真、いや撮る段階から、写真をネット上で共有することを最終形態とする前提で書かれているのです。

flickr」「Instagram」「tumblr」などの写真共有サイトの特徴もまとめられています。

キャッチフレーズどおり「写真はみんなで撮って、みんなで見て、みんなで楽しむから、みんなの写真」という趣向の内容です。


そう聞くと仲良しクラブのような和んだ雰囲気を想像しますが、読んでみると二人の著者から、従来の写真表現のあり方を考えさせられるような強烈なメッセージを投げかけられます。

僕らはハッピーになるため写真を撮るのではないのか?

現実は「写真家のような上手い写真が撮れるんだぞ!」という証明写真を撮っているのではないか?

「うまい写真」を撮るのはやめよう!自分の事は忘れて撮ろう!


そして……

写真の評価は誰かに見られることで決まる。

誰かと共有しない写真に価値はない。

ネットにおいて評価(クリック)されない写真は、存在しないのと同じである。

と、強烈なメッセージのパンチを喰らいます。


写真が一人歩きして、作者の意図からも離れていく。

誰かがどこかで拾ってきた写真でも、色んな人がいいなと思った写真が、だれもが知っている写真となる。

その反面、誰もが話題にしない写真は消えていく。つまり自浄作用である。

だから、写真そのものの価値が消滅して消費しないように、SMSの渦の中に放り込むのだと書かれています。


我々はプロでは無いので、頼まれて写真を撮ることは無いはずである。

だから、自分が撮影したときに、その写真の価値が決まるわけではない。

その事に気づくためには、自分の写真を、誰もが見やすい状態にしておくことが必要である。

そして、自分でも何度も見ることが必要である。

それが可能なのが、デジタルならではの利点だと解いています。


確かに自分の写真の価値を決めてくれるのは、自分以外のみんなであるはずです。

自分の写真に対する見せ方が大きく変わる現実を、受け入れざるを得ない説得力です。

そして「写真のデジタル化=写真の流通化」であり、写真をたくさん撮ってどこかへ流すことで、過去に撮った写真も誰かに発見されることで、新しい写真に生まれ変わるとあります。

「写真が写真を呼び、写真が人を呼び、人が写真を呼び、人が人を呼ぶ」ソーシャルメディアの時代にあっては、当たり前になりつつある現象なのかもしれません。


かってドイツの名門バウハウスも積極的に研究してきた様に、テクノロジーの進化と共に変わりつつある写真の表現方法が、現在これほどまでに変わりつつあることを実感させてくれる1冊です。

そして新しい写真の見せ方で「きっと何かが変わる」とモチベーションと期待値を高めてくれます。

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