写真で見つける光のアート

「写真で見つける光のアート」小林茂雄+東京都市大学小林研究室(著)→

この本は、東京都市大学(旧武蔵工業大学)の小林茂雄准教授と、東京都市大学の小林研究室(工学部・建築学科)の研究生達の写真と文でつくられています。

彼ら・彼女らが撮りためた「光のアート」の写真集でもあり、撮影ガイドブックでもあります。

つまり、 建築の光環境を研究している人達が、街中に突如として偶然現れる「光のアート」をみごとに捉えた写真集なんです。

著者達の、見事なまでの写真家としての視点に驚かされます。


肝心の「光のアート」とは、計画された光ではなく、偶然と現れる「透過と反射」「影と発光」の芸術です。

「透過と反射」「影と発光」は、光を「光源」としてとらえるだけでなく「反射」としてとらえると見えてきます。

つまり日常の視線を変えることで、光は印象的になり、撮影者の心象を写し込みます。

そこが、本書の愉快であり感動的な要因だと思います。


さらに本書は、ただたんに偶然現れた「光のアート」の瞬間を撮り集めただけではありません。

一番のポイントは、光の現象を分析して、アート現象が起こる理由を分析して科学的に説明してあることです。

例えば「都市の中で写り込みが増殖した理由」などが、科学的に検証されています。

そしてそれらは、一般の撮影ガイドブックでは、決して目にすることのできない貴重な情報ばかりです。

まさしく彼ら・彼女らの本領発揮の部分ですね。

写真を撮る上で、光のカラクリを知ることは非常に重要だと思います。


本書の仕様は、約A5版のオールカラー127ページで、コンテンツは以下のとおり。

透過

反射

発光

「光のアート」写真が4つのテーマに合わせて分類されており、それぞれに洒落たタイトルとキャプションが付きます。

そして、ところどころにこの本の最大の特徴である、アート現象の解説があります。


サブタイトルに「街歩きを10倍楽しくするために」とありますが、

本書を読んだら、「光のアート探し」という、新しい街歩きの楽しみが増えること間違いなしです。

無意識で街を眺めて気づくことのなかった世界を、自分だけの「光のアート」に変える楽しみを見つけましょう。

★こちらからも「写真で見つける光のアート」が、ご覧になれます。→