フィルムカメラの楽しみ方

「フィルムカメラの楽しみ方」MOSH books(編著)→

私の写真人生おいては、未だにデジタルよりフィルムでの撮影時間の方が多いのですが……

おそらく現在は、デジタルカメラから写真を始めて、フィルムに触った事のない人の方が多いのではないでしょうか?

そう言う意味では、本書を読んで私の様に懐かしく感じる人より、逆に新鮮さを感じる人の方が多いのではないかと思います。


シャッターを押せば上手に撮れて、おまけのその場で撮った画像が確認できるのは、今では当たり前過ぎて話題にもならない技術です。

しかし、撮ったその場で画像を見る事ができるのは、デジタル以前はポラロイドカメラしか実現できなかった技術です。

そんな今の技術を否定するように、フィルム撮影から現像、引き延ばし(プリント)まで、たっぷり「待つ時間」をかけて楽しもうというのが本書のコンセプトです。


また、進歩し続ける高画質を追い求める人達がいる一方で……

今の時代、写真が高画質なのは当たり前過ぎて、何も感動しない人達が大勢います。

そう言う人達はむしろ、低画質に斬新さや感動を追い求めるようになり、トイカメラやインスタントカメラのブームが誕生しました。

主に、シニア層は高画質を追い求め、若者は低画質を追い求めるという面白い現象が生まれました。

今の時代にフィルムカメラを楽しむ感覚も、それに近いものがあるのではないかと感じられます。


さて本書の仕様は、約B5サイズ、オールカラーの144ページです。

コンテンツは以下のようになります。

FILM PHOTO GALLERY

はじめに

CHAPTER1 フィルムカメラの基礎を知る

CHAPTER2 35mmフィルムカメラを知る

CHAPTER3 二眼レフカメラを知る

CHAPTER4 フィルム中判&大型カメラを知る

CHAPTER5 撮影後の現像・プリントの楽しみを知る

CHAPTER6 あの人とフィルムカメラ

フィルムカメラ用語集

巻頭のFILM PHOTO GALLERYでは、フォトグラファーの熊谷直子さんと、モデルの花梨さんの、フィルムカメラで撮影した作品が8ページにわたり紹介されています。


CHAPTER1では、フィルムのカテゴリー、サイズ別タイプ別フィルムカメラ、現行フィルムのリストから始まり、撮影に必要なレンズや露出の解説へと続きます。

またこの章の執筆を担当された、おなじみのフォトグラファー河野鉄平さんの作品も紹介されています。

最後に好みのフィルムを見つけるための、小倉優司さんのフィルム毎の作品も紹介されています。


CHAPTER2では、もっともスタンダードな「35mmフィルムカメラ」の基本が解説されています。

同じ一眼レフカメラでも、今のデジタル一眼レフカメラとは大きく違うのが良くわかります。

ここでは、この章の執筆を担当された、早苗久美子さんの作品が紹介されています。

またライカの紹介と、フィルムカメラに出会えるショップの紹介もあります。


CHAPTER3は、二眼レフカメラの解説です。

ここでは、この章の執筆を担当された、大村祐里子さんの作品が紹介されています。

最後の方にどういうワケか、LOMOやHOLGAやトイカメラのコーナーがあります。


CHAPTER4は、中判カメラと大判カメラ(ビューカメラ)の解説です。

カメラの紹介はもちろん、フォルムの装着の仕方から撮影方法まで、写真入りで親切に解説されています。

大判カメラ(ビューカメラ)においては、アオリ撮影の方法までイラストと作例写真で解説されています。

最後にオールドレンズの解説なんかも載っています。


CHAPTER5では、撮影後のフィルム現像とプリントの仕方について、イラストと作例写真で丁寧に解説されています。

またラボに向けてのオーダーの仕方まで紹介されています。


CHAPTER6は、フィルムで写真を撮り続けている以下の4人のフォトグラファーが、それぞれ作品の紹介と共に、インタビューに応える形式で紙面が構成されています。

田尾沙織さん「旅」

一之瀬ちひろさん「暮らし」

長野陽一さん「料理」

ericさん「人物スナップ」

総じて、限られたページ数で、これだけ幅広い銀塩情報がまとめてあることに、正直驚きました。

おまけにイラストと写真も満載で、非常に理解しやすい内容です。

それだけではなく、楽しみながら読める紙面構成も特徴です。

これから初めてフィルムカメラに挑戦される方は、まずは本書を読んでみてから、大切な時間をゆっくり写真に残すことをお勧めします。

銀塩世界の全体像をわかりやすく網羅するには、最適な一冊です。

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