写真がもっと好きになる。 写真を観る編。

「写真がもっと好きになる。 写真を観る編。」菅原一剛(著)→

「写真がもっと好きになる」シリーズ第2巻目にあたる本書は、著者である写真家の菅原一剛さんが個人的な体験を中心として、自分と深く結びついている16人の写真家と、その写真について書かれています。

その内容は、彼らの日常を起点とした、写真の成り立ちに注目して書かれたそうです。

各章にひとりずつまとめられた16人の写真家は以下のとおりです。

第1章 ロバート・キャパ

第2章 アンリ・カルティエ=ブレッソン

第3章 ダイアン・アーバス

第4章 ウイリアム・エグルストン

第5章 ウジューヌ・アジェ

第6章 マヌエル・アルバレス・ブラーヴォ

第7章 フェリックス・ナダール

第8章 土門 拳

第9章 田淵 行男

第10章 アルフレッド・スティーグリッツ

第11章 エドワード・ウェストン

第12章 岩宮 武二

第13章 ロバート・メイプルソープ

第14章 ヨゼフ・スデク

第15章 小島 一郎

第16章 ロバート・フランク

すべての写真は日常の中で生まれている。ーあとがきにかえてー

製本は、単行本サイズのハードカバーです。

また前作同様、本書もWebサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」に掲載された「写真がもっと好きになる。写真を観る編」を加筆、編集し、一冊にまとめられたものです。

このシリーズに共通して言える事ですが、装丁、紙質、写真印刷すべてにこだわりを感じることができます。

落ち着いた用紙に、こってりと重厚に刷られたインクが再現する写真の数々は、それ自体が写真集を観ているようなクオリティーの高さです。

Webサイトでは決して感じる事の出来ない、紙に印刷されたクオリティーの高い写真集を捲る心地よさを味わうことができます。


さて各章の頭には、これから紹介する写真家の代表的な写真集の写真が紹介され、その写真の下には、数行程度の優しく力強いメッセージが書かれてあり、本文へと続きます。

本文は、写真家の紹介から始まり、その写真に絡めながら、菅原一剛さんの個人的な思いや解説がエッセイ風に綴られています。

そして各章の最後には、紹介した写真家を更に深く知るための2~3冊の写真集が紹介されています。

またところどころ、コラムが載せられている章もあります


個人的にお気に入りの一部を紹介すると、ウイリアム・エグルストン(William Eggleston)の解説において、「エグルストンの写真は「大切なふつう」で満ちている」と語られています。

そして、標準レンズが好きな菅原一剛さんは、実はウイリアム・エグルストンの写真からその魅力を教えられたんだと知りました。


またマヌエル・アルバレス・ブラーヴォ(Manuel Alvares Bravo)の章で「抑揚たっぷり」はいらないと語られています。

そして「抑揚たっぷりに歌い上げるよ歌のような写真」にならないために、技術を先行させない……と続きます。


このように、写真史上において著名な写真家の写真と、個人的な体験を絡めて書いている類書はあまり見かけ無いので、非常に価値ある一冊だと思います。

それ以前に、写真集と言えば、グラビアアイドルかヌードしか見たこと(買ったこと)のない人や、写真集をどう観ればいいのかわからない人には、とても参考になる一冊です。

★こちらからも「写真がもっと好きになる。 写真を観る編。」が、ご覧になれます。→