「ガールズフォトの撮り方 新しい構図」青山裕企著

「ガールズフォトの撮り方 新しい構図」青山裕企(著)→

著者の青山裕企さんは、ユニークな視点で、個性的な人物写真を撮ることで有名な写真家です。

代表作「スクールガール・コンプレックス」シリーズでは、記号化された顔を見せない制服の女の子たちが、僕たちを「あっ!」と驚かせてくれました。

また、「ソラリーマン」シリーズでは、全国の働くお父さん達を「空跳ぶサラリーマン」化して、これまた僕たちを「あっ!」と驚かせてくれました。

僕はどういうわけか、自然光と標準レンズで撮影する写真家に惹かれてしまうのですが、青山裕企さんもその中の一人です。


さて本書は「ガールズフォトの撮り方」の続編にあたる、シリーズ2作目となります。

今回はタイトルどおり、青山裕企さんオリジナルでユニークな構図論がメインに展開されています。

B5変形版・159ページ・オールカラーの紙面には、ふんだんに著者の写真作品が撮影例として紹介されています。

ひょっとしたら、本書に掲載されている写真点数は、写真集よりも多いのではないでしょうか?

コンテンツは以下のとおりです。

LESSON0 構図とは、なにか

LESSON1 縦か、横か

LESSON2 何が、撮りたいのか

LESSON3 どこまで、広げるのか

LESSON4 パーツ写真の撮り方

LESSON5 光とピント

LESSON6 トリミングについて

LESSON0では、構図の基礎として、青山裕企さんが正方形フォーマットにこだわり続ける話から始まります。

その理由は、視線が中心に集まる、タテにもヨコにも流れない、見せたいモノをシンプルに見せることができる……などです。

この章で特にインパクトを受けたのは、12項目ある中の1項目、「個性を隠す」という項目です。

つまり、眼や顔など個性が表れるモノは隠して、制服をメインにすることで「被写体を記号化する」という話です。

これだけで、もう普通のポートレートと一線を画していますよね。


LESSON1では、タテ構図とヨコ構図の違いについて解説されています。

正方形で規則的な構図をつくりながらも、横位置で寄りから引いていくとストーリーが生まれ、縦位置で寄っていくと近さが強調されるという理論です。


LESSON2では、何が撮りたいのかハッキリさせましょうと言う事で、写真に自分の視線を写し込むテクニックが書かれています。

ここでも、「目にピントを合わせれば良いという思い込みを捨てる」という個性的な説が展開します。


LESSON3では、本書一番のオリジナルテクニックであろうと思われる「自分が見たいモノに寄ってから、視野を広げていく」フレーミング方が解説されています。

そして、余計なモノを徹底的にフレーム内に入れないための説明があります。

この章でも、「顔を隠して仕草で表情を作り出せる、図形的、数学的な構図」について書かれています。

他にも「体の間に出来る隙間と、外側に出来る余白の違い」の説明なんかもあり、とても勉強になります。


LESSON4では、青山裕企さんお得意の、パーツ写真の撮り方についてです。

ここでも、「ネットで検索しても、見る事のできないパーツを撮りましょう」とか「一見何を撮っているのはわからない写真は、わかった時のインパクトが大きい」など、興味を惹かれる内容が展開します。


LESSON5では、光とピントについて書かれています。

青山裕企さんは、屋外でも屋内でも照明に頼らずに自然光で撮るスタイルなので、そのための光の使い方がていねいに解説されています。

「一番美しい光は自然光(太陽の光)である」と言う言葉に、妙に納得してしまいます。


LESSON6は、トリミングについての解説です。

ここでは、特に個性的な事は書かれていません。

トリミングはあくまでも仕上げの微調整であり、撮る前の比率を変えないようにトリミングしましょうということです。


構図の解説書は数多く出回っていますが、ここまで個性的なオリジナリティ溢れる構図論は他に類を見ません。

著者のように、自然光の中、標準レンズに正方形フォーマットで、制服の女の子達を記号化しながら記録する撮影スタイルに憧れる方はもちろん……

一通りポートレートが定石どおりに撮れるようになって、普通のポートレートに飽き飽きしてる方、新しい視点でポートレートが撮れるようにりたい方……

そんな撮り方に憧れる方には、必読の書となります。

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